こんばんは。
お待たせいたしました。印象ドラマ、これにて堂々完結です。
今夜も印象をただよう世界にいってらっしゃいませ。
◇動画
◇全文
「あああ、忙しい忙しい!!
どうしてこうも、情報量が多いの。
グーテンベルクが活版印刷を発明したときは、まだ喜んでいられたのに。
無線技術のあたりから世界は急速に変わってしまった。
インターネットなんて、仕組みを理解していないうちに、人々の生活に切っては切り離せないほど普及してしまって。
このポンコツ!お願いながらちゃんということ聞いて頂戴!
どうしよう、組織に伝達できない、、先月FAXももう正式に廃止されたんだった。。
今日中にメールできないなんて、、もう終わりだわ。。
(呼び鈴)
今日は訪問とか、配達の予定はなかったはずですけど。
どなたですか。今取り込み中だから、あとにしてください!」
◇
「まったく、何をしているかと思えば」
「あら、どちらさま?」
「はぁ!?」
◇
「なんて、冗談よ。ずいぶんお久しぶりですね、Crossくん」
「ずいぶんとは、呑気なやつだな。今は21世紀だぞ!どれだけ時が経って、探し回ったと思ってるんだ!まさかこんな最果ての島国にいるなんて、誰がわかる」
「それはご苦労さまでした。こんなところまでやってきて、なにか告解したいことでもあるんですか?」
「僕がこんなところまで来るなんて、新たな任務に決まっているだろう。
まったく…情報収集はあれから進んでいるのか?」
「…誰かさんの離脱のおかげで、進みが悪かったんですよ」
「責任転嫁しかしないところは変わってない」
「事実だと思いますけど?とはいえ、また会えました。
あなたが命がけで集めてきた事柄の集積とやらが、森に埋もれなくてよかったです」
「僕が言ったことを、よく覚えているじゃないか」
「当然じゃないですか。どれだけ心配してたと思ってるんですか」
「…あの頃より、また一段階、複雑なご時世になった。移り変わりについてこれているかい?
止まっていては、すぐに世界から置いていかれる」
「まぁ、そのへんは産業スパイの、あなたから教わりますよ」
「何世紀前のことだ。人聞きの悪いことを!」
「それよりも、なにか美味しいもの食べに行きましょうよ」
「ああ、こちとら長い旅で空腹だ。この国の食文化は変わってるから、よくわからん」
「いろいろなお店知っていますよ。行きましょうか、あなたのおごりで」
「なぜだ?調子に乗るな、そこは割り勘だ」
「あら、ここはアムステルダムじゃなくて、日本ですよ」
◇
「それで、夜に仕事するの、やめたんですか?」
「まぁ、僕もそろそろ体力的にきつくなってきてね」
「おじいちゃんみたいなことを」
「僕らの時は、緩やかに進んでいるよ。君もね」
「若く見えないってことです?ま、でもそうであってほしいわね。
時を刻んでゆけないのは、生きていないのと一緒だから」
「まったくだ。不老では、入力と出力に特化した、電子媒体ってことになってしまう」
「AIも、まだまだ敵わないでしょう。想いを持って生きてる、私たちにはね」
今日も最後まで読んでくださりありがとうございました!(^^♪
あとがきは後日、改めて記事をアップします。