先日、上司と先輩と同僚の外出や有休が重なり、自チームのワンオペ監督をやった。
こういったシチュエーションは、はぐれメタルに遭遇する並みのレア感である。
前日の夜はすこぶる憂鬱であった。
パート派遣さんがいるじゃないか、独りではないのだ、と思うかもしれないが、業務の領域や権限的な問題があって。
10人前後からなる従業員のみなさんに指示を出したり、急ぎの最終判断を下したりするのがその日の私の役目である。
時間に締め切りのある自分の業務をやりながら。
悪名高い前部署では、夜勤では基本この体制だった。
しかし、夜勤はいかにノルマが膨大で吐き気がしようとも、理不尽極まりないクレーム検証があろうとも、納期(最終集荷)のデッドラインがない。
故に、朝が来れば引継ぎで誰かに相談したり、出勤してきた上司に判断を仰ぐことができた。
今でも、そのときの後遺症として、日が昇ることに並々ならぬ安堵感を覚える。
そして先日のXデーは、結論から言うと、何事もなく終わったのである。素晴らしいことである。
むろん色々色々、細かな有象無象は起こった。しかし、重大な爪痕となるようなことは、なかった。ように思う。
去年のはじめにもあったのだ。このようなワンオペ状態が。
そのときは、ボロボロだった。
そう考えると、経験値を積んだのだなと実感した。
作業者の方々がある程度、信頼してくれるようになったのが大きいように思う。
以前は、まだ自分の判断に自信が持てず、それが周囲にも伝わっていたのだろう、うまく連携が取れず、それぞれ個々に動くものだから、あっちで故障、こっちで不具合、引継ぎ忘れ、ヒューマンエラー等々あって悲惨だった。
これがあまりにもひどいと、事故に発展しうるのだ。恐ろしいことである。
今回は、細々と必要に応じて判断を仰いでくださるようになった。
そして、自分の指示を、(時に渋い顔をしつつも)受け入れてくださるようになった。
現場配属されしものの入社後の洗礼は、現場の方々にけちょんけちょんに言われることである。
言い方は悪いが、なめられる。未熟だから仕方ないのだ。
この時間でこんな作業量できるわけないでしょうが!的な。
現場について何も知らない新参者が、戦局を読み誤ることに対する叱咤である。
わかる。各々プライド持って仕事してるんですから。
こうして、レールを外れぬよう時に叱られ、助けてもらいながら、覚えていくのである。
こういうのが、新入社員が振るいにかけられ、早々に胃を痛めて辞めていく最大の原因である。
研修がないから教育制度が崩壊しているのだ。
しかし、石の上にしがみつき続け、日ごろからコミュニケーションを積み重ねることによってその現場の作業者との齟齬は、軽減すると、自分は信じている、、そう信じたいのである。
◇
我が国ではいつからこのように派遣会社が興隆するようになった?
人件費を削っている場合なのか?いや、、社員がもたないから続かないのだ。こんなでは。
我が国は、いつから育てることを諦めたのか?
そんな余裕がないのか?
人材は使い捨てか?
残ったものは一体どれだけ残業すればいいのか。仕事に終わりなどないのだ。うちだけなのか?他を知らんからわからない。
夜勤までやる意味はあるのか?残業に意味はあるのか?
従業員はやはりこのように倦怠感の蔓延したなか、不満を、永遠に不満を言ってくる。わかるのだ。わかるのだが。
◇
翌日。そんなんでは潰れるよ、と先輩の言葉。
管理者は人を使うものだ、と。そうでなければ、組織はうまく機能しないのだと。
自分を守らなければやっていけないよ、すべて受け流せと。自分は嫌われることをどうも思わない、むしろ嫌われ役を買って出なければと。
その通りだと思った。
こんな感じでやっていては、結局誰のためにもならない。
人間がうまく生きるのと、組織がうまく生きるのとは違う。
自分は偉いから役職についたのではない。
自分がたまたま嵌まった役職に権限があるだけだ。
その権限を、場に応じて適切に使わなければならないのだ。
ひとりひとりのためを思うと、結局全体の誰のためにもならないのが「平等」のパラドックスだ。
(塩野七生さんが書いてました)
だから、ミスやルールから外れたやり方を指摘するのは、何もあなたの人格を否定しているわけではないのだ。
自分は言葉がきついから、伝え方にはじゅうぶん注意を払っている。それは、、努力している、、ウッ。。
以前、あなたのような奉仕型のままではだめだ、とそのようなことを言われたが、そのとおりなのかもしれない。
しかし、大のひねくれ者なのでリーダー力、のような自己啓発本を読むくらいなら死んだほうがましだ。←こういうとこ!!!自覚ある!!!
もしも現場のマネージャーがマキャベリの『君主論』を読んだら、的な。
今のご時世、売れそう。なんてね。
未熟ですみませんだけど、でも伸びしろと思って許してね。いつか答えに近いものがわかると思う。