印象をただよう告解部屋

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大阪市立美術館「フランス絵画の精華」展、館の感染対策&鑑賞レポート

「フランス絵画の精華 ルネ・ユイグのまなざし―大様式の形成と変容」
大阪市立美術館 (会期:2020年5月26日/火~8月16日/日)
※コロナの影響のため会期延長後のものを記しています。


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ひさびさの美術鑑賞でした。
今の時期に行くべきか、と迷いましたが、予防に万全を期して行ってまいりました。

美術館側でも対策をしておられました。
その実情も込みでレポートをしていきます。

(ひとつ断っておくと、このブログの筆者は専門的な美術の知識があるわけではありません。しかし、学芸員資格を取得しているため、視点がどうしても展覧会としての質に偏ってしまいがちですが、悪しからず…)

*入館まで*

大阪市立美術館の場所は、JR・大阪メトロ天王寺駅から約400mのところにあります。

文化施設が密集している場所なので、地図が至るところに設置されていました。

スマホの地図がなくてもたどり着けます。

天王寺公園を通り抜けると、すぐ見えてきました。

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人の流れはありませんでしたが、案内板に従って、導かれるように入口へ。
チケット購入などの列はありませんでした。待ち時間もなく、万事スムーズで快適でした。

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入り口では、サーモグラフィー機能を搭載したカメラの前を通り、発熱がないかのチェックがありました。
また、マスクを着用していないと、入館できません。

アルコール消毒も導線上に置かれていました。


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館内の人はそんなに多くない印象でした。
午後3時頃に観始め、一時間ほどかかって回りました。

館内には、「距離にご注意」と書かれたプラカードを持ったスタッフの方が各部屋におられました。

これいいですね(*'ω'*)
美術品への距離が近すぎる人にも、密地帯にも有効ですから。
心なしか、平常時よりも館員の方々、マナーの悪い人には積極的に圧をかけておられた印象です。

*鑑賞レポート*

本展では、フランス絵画の最も偉大で華やかな3世紀をたどります。17世紀の「大様式」と名づけられた古典主義から、18世紀のロココ、19世紀の新古典主義ロマン主義を経て、印象派誕生前夜にいたるまでの時代です。ヴェルサイユ宮殿美術館やオルセー美術館大英博物館スコットランド・ナショナル・ギャラリーなど、フランス、イギリスを代表する20館以上の美術館の協力のもと、油彩画、素描あわせて約80点の名品が集結しました。

今回、嬉しかったのは王立絵画彫刻アカデミーに出入りしていた画家らの作品が多く観られたことです。

印象派画家が好きで、そのあたりの歴史について調べるのが好きなのですが、この時代のこれだけ多くのアカデミー側の絵を鑑賞したのは、正直初めてでした。

なるほど、こちらの端正な絵を見ていると、印象派がいかに異端として取り沙汰されたか…想像に難くありません。

終盤でエドュアール・マネの「散歩」(1880頃)という絵が展示されていたことに、美術史の流れを感じました。
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そして、その日一番驚いたのは、今回の目玉作品の展示室では、撮影許可が下りていたことでした!!
以下の二作品がそれにあたります。

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エリザベト=ルイーズ・ヴィジェ・ルブラン
「ポリニャック侯爵夫人」(1782)
ヴェルサイユ宮殿美術館所蔵

《ルブランは、マリーアントワネットお抱えの女性画家です。
薔薇色の頬、愛らしい瞳を描くルブランのタッチは、なるほど女性受けしそうです。
今の感覚で見ても、可愛らしい!と思います。》


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ジャン=アントワーヌ・ヴァトー
ヴェネチアの宴」(1718-1719頃)
エジンバラスコットランド・ナショナル・ギャラリー

《「シテール島の巡礼」でお馴染みのロココ時代の巨匠ヴァトーです。
多数の男女が集う、甘くけだるい宴の様子。それにしても、ドレスのサテン生地の光沢がすんごく綺麗。》


この撮影許可の下りた展示室、感染対策は関係あるのかどうかわかりませんが、みなさん写真だけ撮ってさっさと立ち退くものですから、混雑なく進んでいました。この上ない感染症予防です。

というか、こんな場面、かつて見たことないです。

目玉作品といえば、前列で見たい人と後列でもいい人の二重の長い列ができているイメージでしたから。

撮影不可の部屋とは打って変わって、絵画もキャプションも撮影して終わり、とは。

かくいう私も大喜びで撮影した人間なので、何も言えませんが…

さすがに本物の持つ価値、というものについて考えさせられる時間でした。

*最後に*

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今回、見つけたお気に入りの画家は、ジャン=バティスト・パテルです。
「水浴の女たち」(1721)という絵のポストカード買ってしまいました。
この絵のお気に入りポイントは、水辺とロカイユ調の建物の構図です。
色々なモチーフが空間にバランスよく描かれた絵に惹かれてしまいます。

なんだかんだありましたが、やはり芸術鑑賞はいいな、と思いました。
思い切って来て、良かったです。

とはいえ、今後も入念に混雑状況などの下調べをして、しっかり予防・対策しつつ行動しないとな、と思いました。

今日も読んでくださり、ありがとうございました(*'ω'*)

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