こんばんは、Clariceです。
最近聴いている音楽について。
素敵な歌詞には、下手な言葉よりも、人の心に寄り添える不思議な力があると思います。
ずっと前から気にはなっていたキリンジの音楽は、去年くらいから本格的に聴き始めました。
このタイミングだったのかっていうくらい、適切な時期に私のなかで再発見しました。
1996年に活動開始した、堀込兄弟が織りなすバンドです。
兄の高樹さんが作曲を担当され、弟の泰行さんがヴォーカルを担当されています。
シティポップなサウンドと、これが「表現力」かとはっとするような歌詞が刺さったのでした。
名曲はたくさんですが、2000年にリリースされた『エイリアンズ』が最も知名度が高いのではないかと思います。
2013年に弟さんが抜けてソロとなり、兄弟でのバンド活動は終了しています。
私はファンと言ったら失礼なレベル。ストリーミングサービスでランダムに流し、気に入った曲はユーチューブでライブバージョンを見るという感じ。
キリンジの音楽は、どんな気分の時でもフラットにすっと入ってくるんです。
私は本当に疲れているとき、歌詞の入った曲を聴けなくなるのですが、これらの音楽は大丈夫なんです。
私が特に聴くようになったきっかけの曲は、『愛のCoda』。
歌いだしの「雨に煙った飛行場はモノクローム」という部分から、懐かしいような、映画のワンシーンのような情景に引き込まれました。
まるで、飛行機に乗る時ってこんな心地だったようなと思うような軽快なサウンド。旅に出る時はいつも聴いています。
イヤホンで永遠と流していると、「この歌詞、メモしておきたい」と思うようなフレーズがたくさんあります。
―「永久凍土の底に愛がある」(『千年紀末に降る雪は』)
―「異教徒のごとくつぶてを投げられて」(『悪玉』)
―「永遠と刹那のカフェ・オ・レ 冬の空を満たす」(『アルカディア』)
『十四時過ぎのカゲロウ』の「水辺の生き物だからー」にはじまる、プールサイドの風景。これはタイトルが秀逸。お洒落。
『台風一過』の「膨らんだスカートは希望が満ちている」は、絵本の1ページのような。
そして、極めつけはこの曲。
「欲望が渦を巻く海原さえ ムーンリヴァーを渡るようなステップで 踏み越えて行こうあなたと」(『Drifter』)
こんなにも、例え誰かと居たとしても【孤独を感じる夜】に寄り添える歌があるというのは、私にとって、とても嬉しいことなのでした。