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【保存版】古今東西・おすすめの幻想文学をご紹介

こんにちは、読書の秋を堪能しているClariceです(^^♪
最近、幻想文学にすごい勢いでハマってしまいまして。

本記事では、幻想文学と呼ばれるジャンルについて、お気に入りの作家別に紹介していきます。

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〇目次

はじめに

幻想文学は、定義さえもふわっとしている気がします。

ブリタニカ国際百科事典から抜粋すると、以下のように定義付けされています。

フランスにおいては,イギリスのゴシック小説およびドイツの E.ホフマンの影響のもとで,ほぼ 19世紀初頭ロマン派の台頭とともに生れた文学ジャンルで,以後文学流派の変遷にもかかわらず多くの作家が注目すべき作品を残している。広義には神秘的空想の世界,狭義には幽霊や悪魔などの超自然の世界を描いた文学をいい,怪奇と恐怖が入り交っていることが多い。


なるほど、19世紀ロマン主義の退廃・耽美・想像力の精神が生んだジャンルだということですね。
私は、場面展開が早く、散文詩的な作品がすきなんです。
まだまだ初心者ですが、最近読んだ作品について綴りたいと思います。

すべての作品が幻想文学に当てはまるかといわれると、
正直自信がありません(;´∀`)
私が幻想文学的な楽しみ方ができた作品、と理解してもらえれば幸いです。

山尾悠子

まず、幻想文学に興味をもったきっかけは、山尾悠子さんの作品です。
ラピスラズリ』『歪み真珠』『夢の遠近法』

おとぎ話のような、どこか異国の世界観がとても心地よいです。

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シノワズリのような中国趣味(「童話・支那風小夜曲集」「紫禁城後宮で、ひとりの女が」)から、東南アジアのような水の都(「ムーンゲイト」)、そしてポンペイあたりを思わせる死火山のふもとにある海辺の町(「娼婦たち、人魚でいっぱいの海」)まで。

もちろん、異世界を舞台にした物語も素晴らしいです。
基底と頂上が存在しない、円筒形の塔の内部に人々が住むという異様な世界を描いた「遠近法」、「火の発見」等。

泉鏡花文学賞に選ばれた、『飛ぶ孔雀』が未読なので、読み次第、また記事に書きたいと思います。

ホルヘ・ルイス・ボルヘス

『不死の人』『砂の本』を読みました。
短編集なので、たくさんの作品が収録されていて、面白かったです。

ボルヘスは、ラテンアメリカ文学ブームにおいて、評判を得たアルゼンチンの作家です。

円環・迷宮・夢・宗教等をモチーフに、緻密な文章構成で、実在した歴史とも空想ともわからぬ世界へと引き込まれます。

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「砂の本」は、砂のように無限にページが湧き出てきて、同じページには二度と戻れないという奇妙な聖書をめぐる話。
愛書家である主人公の男は、とある聖書売りからこの本を買い取るが、はじめのうちは何かからくりがあるのではと訝しく思う。
しかし、この本の神秘性に魅入られるうちに、とりつかれてゆき、次第にこの本は「怪物」なのでは、と恐ろしくなってゆく―という物語。

何と皮肉っぽく、寓意的な…!

著者のボルヘスも大変な読書家で、恐ろしいほどの知識が作品の随所で披露されます。
「恥辱の世界史」にて、歴史上の悪役の一人として吉良上野介を取り上げ、忠臣蔵の話を詳細に紡いでいたのには、驚きました。

アレフ」も傑作のひとつとして数えられることが多いです。
主人公はボルヘス自身であり、知人宅の地下室の片隅で無限を映し出す球体—アレフ(と知人が呼ぶもの)を目にし、世界のすべてを幻視するという物語。
シンプルな発想でありながら、誰も考えつかないような壮大な世界が、さすがはボルヘスだと思いました。

お目当てだった「バベルの図書館」がどちらにも収録されていなかったので、探してます。

パウロ・コエーリョ

アルケミスト』でお馴染みのパウロは、ブラジル生まれの作家です。
羊飼いの少年がピラミッドに眠るお宝を探す旅に出るという物語。
このお話は、夢を追うことの素晴らしさを感じることのできる、素敵な本でした。
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ですが、以前から紹介記事にて何度か書いていますが、スピリチュアル要素が非常に色濃いです。
アルケミスト、つまりは錬金術師に必要な資質というのも、「自然が示す前兆を見逃さないこと」なんですよね。

アルケミスト』はサン・テグジュペリの『星の王子様』のようなお話だと紹介されることが多いですが、私としてはまったく異なる種類の作品だと思います。

哲学的で神秘主義的要素も強いので、ただの冒険譚として手放しで楽しむことはできなかったです。
いい意味で、色々考えさせられました。

また、『星の巡礼』はパウロ自身の体験を基にしたような半自叙伝のような作品ですが、こちらはさらにその傾向が強いです。

これが、マジックレアリスムというものなのでしょうか。
神秘的なラテン世界の空気感を味わうことができます。

泉鏡花

日本が誇る、明治後期から昭和初期を生きた文豪です。
金沢にて、彫金細工師の父と能楽師の家系の母との間に生を受けた鏡花さんは、尾崎紅葉の門弟として数多くの小説、戯曲、詩を世に送り出しました。
幼いころに母を亡くしたことから、しばしば儚く美しい女性像が作品のモチーフにされています。

高野山の僧が、岐阜の飛騨から信州にかけた峠越えの最中、妖艶な女性に迫られて心を乱す「高野聖」。
「外科室」では、外科医と夫人のあいだに交わされる悲恋が描かれます。
そして「夜行巡査」でも、職務第一の巡査と薄幸の娘—お香との切ない恋をめぐって物語が展開します。

どのお話も、展開がはっきりしていて、現代の感覚で読んでもしっかり楽しめると感じます。
文体に気品があって、流れる情景が美しく、それだけでうっとりと物語に酔えます。
しかし、それだけではなく、種明かしのようなオチがあり、しっかりと寓話的です。

初期作品である「外科室」、「夜行巡査」では、漢文の書き下しのような言い回しが目立ち、古典文法の知識が少々要るかもしれません。
中国の孔子関羽などの故事の暗喩も効いています。

アレクサンドル・プーシキン

作家であり、詩人でもあるプーシキンは、ロシア近代文学の草分け的存在です。

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スペードの女王」を読みましたが、幻想文学的で大変面白かったです。
散文詩的で、場面展開も早く、引き込まれました。
あらすじを少しだけ。。

カード賭博に魅入られた男、ゲルマンが夜の賭場で興味深い噂を聞く。
社交場に出入りする老夫人が、必勝のカードの秘伝をにぎっていると。
ゲルマンは、老夫人の侍女の若い娘リザヴェータを誘惑し、何とか老夫人との接触を試みるが、運悪く死なせてしまう。
しかし、ゲルマンには良心の呵責はなく、カードの秘伝が永久に聞き出せないことに絶望していた。
そしてある夜、ゲルマンの枕元に老夫人の霊が現れ…
という物語。

怪異・予言・狂気、とくれば、シェイクスピアの「ハムレット」や「マクベス」を連想してしまいました。
ですが、物語はそんなに長くなく、視点を当てる人物がくるくると入れ替わり、賭場、お屋敷、社交場、葬式場…と次々に景色が移り変わります。
そのあいだに恋する娘の揺れ動く感情が、男のカードの秘伝への執心が繊細に描かれているところが、面白かったです。

プーシキンといえば、過去に「ジプシー」という物語詩を読んだことがあります。
この作品は、主人公の青年の名である「アレコ」という題でオペラにもなっています。
都会に嫌気がさした青年が、自由奔放なジプシーの娘—ゼムフィーラに恋をするという19世紀初頭のまさにロマン主義的な作品です。

上にあげたのはどちらも短編ですが、理性よりも精神や情緒を重んじる、ロマンティシズムが詰まっていました。

おわりに

いかがでしたか。
広く浅くですが、幻想文学の世界を少しでも感じてもらえたら幸いです。

まだまだこのジャンルは、読み始めたばかりなので、もしおすすめの本などがあればコメントなどで教えてもらえたら嬉しいです(^^♪

今日も最後まで読んでくださり、ありがとうございます!


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