先日、祖父が他界した。
今夜はお通夜だった。
祖父は5年前に病気して三途の川を引き返してからは、私のことをわからなくなってた。
「若い女の人」という認識だったらしい。
でもお盆に会ったときは、わからないなりに照れながら、「お仕事どうですか」と聞いてくれました。
祖母は、「あのひとは病気の前、孫の結婚式が楽しみと言っていた」と教えてくれた。
申し訳ないなぁ。でもあなたに習って、バリバリ働いてます。
◇
祖母にとっては激動の5年間の介護では、毎日口喧嘩してたイメージだったんだけど、やはり人生の伴侶だからいっぱい思い出あるよね。
何だかんだ寂しいよね。
祖父というと、昔、電気屋をやってたみたいで機械好きな人だった。
人に教えるのも好きで小さな教室を開いてたなぁ。
(家のPCにボーカロイドの「初音ミク」が搭載されてたのを、私は密かに知っている)
そんなことを、お坊さんの読経中に思い出していた。
お坊さんのありがたいお話では、「えらいハイカラな人やったなぁ」と。
数年前に見送った曾祖母は、102歳の生涯を全うした。
檀家の中で最長だったらしい。
それをふまえて、順番が守られて幸いだったねとのこと。
◇
私は何の因果か、仕事で技術職についている。
私は物書きか、音楽関係か、歴史の研究に携わりたいと思ってたし、この運命は本当によくわからんかった。
適性絶対ないし、正直、意味がわからんと思いながら働いている。笑
しかし、仕事終わりの夜遅くに駆けつけて、冷たくなった祖父の顔を見たときに、謎が解けた気がした。
そういうことか。自分のメカヲタのルーツは祖父にあったのだ。
向いているとか向いていないとかそういう問題じゃなくて、ただただメカや技術に惹かれる性分なのだ。
どうやら遺伝子レベルで刻まれていたらしい。
ちっちゃいときからロボットアニメばかり見てたしね。
残念ながら2代目はプロニートで、喪主もまともに務まってなかったが(しかし手のかかる弟みたいな存在として、仲良くやっている)、3代目はちょっとばかし苦労してきたので、あなたに習ってバリバリ働いて幸せになるから安心して眠ってほしいと思う。
おじいちゃん、夏休みとかに小さい時から機械類に触れさせてくれたことに感謝している。
お坊さんの話によると、おじいちゃんは告別式の後、西方の極楽へ向かって歩いていくらしい。
楽の極みの世界。
私のことを思い出すかな?
極楽浄土から、逝ってしまった親類や愛犬たちとともに見守っていてほしいと思う。