こんばんは、Clariceです。
久しぶりに「カクヨム」さんにエッセイを投稿しました。
インプレッション・オブ・ウォーターの第二話。
美術館体験記の続編です。
エッセイに出てくるのは、徳島県鳴門市にある大塚国際美術館です。
館内に展示されている作品はすべて、陶板複製のものです。
キャンバスとちがい、作品の経年劣化が少ないことから時の止まったような不思議な空間でした。
小説投稿サイトには写真を添えることをしないので、こちらに。
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カフェの外へ出ると、大睡蓮の間が現れます。
ここでは静かに椅子に座って、陶板を鑑賞することができるのです。
自然との調和が見事です。まるで絵の世界と我々の世界が空間続きであるような錯覚を覚えました。
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芸術作品や文化財の「保護」と、「公開」の関係は相反するものです。
しかし、人々に見てもらわなければその価値は失われるといえます。
学生時代にお世話になった学芸員研修先では、学芸員は「雑」芸員であり、なんでもやるのだと教わりました。
虫との闘いだというのも実感しました。
古文書を読んでいると、必ずや虫食いにより肝心な部分が読めない場面に遭遇します。
非常に無念なことですが、自然の摂理です。
紙や木の保存には、ものすごく手間のかかる殺虫の作業が必要なのです。
文書整理をお手伝いしていましたが、紙の状態の悪いものは持ち上げただけで壊れてしまいますから、神経を尖らせる必要があります。
スキャニングも進めていかねばならないという話もあり、現在そのような仕事に携わっている同級生も多数います。
そのような苦労を身をもって知っているので、
当美術館の陶板複製の意義というのは「無制限な公開」を可能にするという点にあり、非常に価値あるものだと考えます。
ただ、本質的な美術鑑賞において、オリジナルに勝るものはありません。
興味を持つきっかけに、そして再現ならではの新たな気づきを得るという意味で有意義な体験でした。
何より、とても素敵なインスピレーションをいただき、短編ながら小説投稿ができたことが嬉しかったです。
今日も最後まで読んでくださりありがとうございました!(^^♪