2022年6月3日に公開された映画「機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島」を観てきた。
結論を先に書くと、とても素晴らしかった。
ネタバレは気を付けるつもりだが、先入観なしで観ていただきたいので予定のある方は終わってから読んでほしい。
ーcontentsー
◇作品紹介
本映画は、1979年に放送されたテレビアニメ「機動戦士ガンダム」の第15話「ククルス・ドアンの島」を映画化したものである。
アニメの一話分を、約二時間の映画としてリメイクされた作品だ。
展開、演出ともにとにかくアツい。
戦闘シーンは少なめであったが、映像が美しく、往年のファンに嬉しい粋な演出が盛り込まれていた。
ストーリーは以下の引用を参照されたい。
宇宙世紀0079年(U.C.0079)、地球連邦軍は自治権を求めるジオン公国との戦争に突入し、世界総人口の半分が消失するほどの激戦を繰り広げていた。本部であるジャブローへの奇襲を辛くも切り抜けた連邦軍や戦いに巻き込まれたアムロたちホワイトベースの面々は、ジオンの地球進攻軍本拠地であるオデッサを目指す。
その最中、反撃に際して万全を期すための補給を受けにベルファストを経由することに決めたホワイトベースのもとへ突然、無人島「帰らずの島」の残敵を叩けという内容の指令が下る。早速調査を始めると、島には謎の子供たちと1機のザクが潜伏していた。戦闘でアムロはガンダムを失ってしまったうえ、目の前にはククルス・ドアンと名乗る謎の男が現れる。
◇戦闘と機体について
ファーストの戦闘はシンプルがゆえにとても迫力がある。
ファンネルとかの無線式兵器もないし、まだニュータイプ同士が感じるあの「キュリリリリン」みたいな描写も多くない。
モビルスーツのメインウェポンは、あくまでビームサーベルと、ビームライフルと、バルカンなのである。
さらにこの頃ってまだホバー移動ではないからガチャンガチャンって歩く。それもいい。
そして、ガンダムのカッコよさに反して、ザクの気味悪さは半端なかった。
斧型武器ヒートホークでばったばったとやられていく連邦軍のジムが気の毒なほどであった。
冒頭で現れるククルス・ドアンの搭乗するザクが、特にものすごく不気味な動きをする。
もちろん月を背景に荒野にたたずむザクの姿はカッコいい。
久々にテレビ版を改めて見返すと、映像技術の進化ぶりに笑ってしまう。
そういえば、ドアンの乗るザクはテレビ版で作画崩壊を起こしていたことで有名なのだが、そこもしっかりと最新技術で再現されていてあご(?)が長めの独特なお顔立ちであった。
◇登場キャラクターについて
ホワイトベースのメンバーがテレビ版よりもストーリーにしっかりと組み込まれていた。
艦長のブライトさん、カイ、ハヤト、フラウ、ミライさん、セイラさん・・・
そういえば、テレビ版では島で行方不明になったアムロを探しに行くのは、ガンタンク操縦者のリュウ・ホセイである。一部始終を見届けていたのはリュウなのである。
本映画にはリュウはいなかった。なぜだ。
と思って調べてみると、今回の映画は『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』に準拠した時系列であるそうな。そうであったかー。
艦長ブライトさんの中間管理職っぷりには終始同情せざるを得なかった。ずっとため息ついてミライさんに諭されて気の毒。
あとは、セイラさんのいい女っぷりとスレッガーの陽気さが楽しい。?
スレッガー・ロウ!?なんでここにいるんや!?!?!?
テレビ版なら、ジャブローを出て宇宙にいくときに合流する。
でもいいよ。スレッガー中尉の楽しそうな表情が見られたらもう十分(´;ω;`)
ホワイトベースのメンバーが、喧嘩したり結束したりわちゃわちゃしているのは見ていて和んだ。
ホワイトベースメンバーはほとんどが元民間人の集まりというのもあるから、ぶつかりつつも家族感がある気がする。
今思えば、続編であるZガンダムの母艦アーガマのメンバーなんかはずいぶんと殺伐としていたものだ。
アムロは幼さを強調して描かれていたように感じる。
まだまだ傷つきやすい少年という相応な感じ。