こんばんは。
今夜は私の好きな文章を集めてみました。
詩や物語の静謐な世界へご案内です。
写真は、撮りためたものから少し。
バラの季節ですね。
バラモチーフは、大好きです。
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わたしが生まれたのは 七兆年の昔でした
そのときわたしは 一本のあやめでした
私の根は ずっと さがしもとめてきました
そしてようやく ひとつの星をみつけたのです
それは夢みるような 青い 美しい星でした
―アルノ―・ホルツ「ファンタジー」(1898)より
薔薇は冷である。
しかしこの冷はそれ自身のうちに有用な原理を含んでいる。
夜明に薔薇の葉をあつめて眼の上にのせるなら、これは眼を冴えさせ…
―ヒルデガルド・フォン・ビンゲン『フィジカ(自然学)』(1151-1158)第一巻 「植物の書」より
ただし、女神との遭遇を願うあかしとして
髪に花を飾ることは許されたので
その色や種類について乙女たちはほとんど過剰なほどの熱意をもって検討しあった。
…
という訳で…たちまちあたり一帯の庭先から黄色の水仙が消えうせた。
次にミモザが毟り取られ、アイリスが壊滅し、
また素朴な野ばらが持てはやされたかと思えば、可憐な勿忘草が圧倒的な支持を得たこともあった。
―山尾悠子『歪み真珠』「美神の通過」より(2019)
ふと、わたしは窓を開けて、外をながめました。
ああ、そのとき、わたしは、どんなに喜んだかしれません。
そこには、私の良く知っている顔が、
まるい、なつかしい顔が、遠い故郷からの、
いちばん親しい友だちの顔が、見えたのです。
それは月でした。
―アンデルセン『絵のない絵本』より
まるで童心に帰ったような気分になります。
大切な何かを思い出させてくれるような素敵な文章たち。
一日の終わりには心をリセットして、また明日からも頑張りましょうね♪(^^)
今日も最後まで読んでくださりありがとうございました!(^^♪