印象をただよう告解部屋

キラリと思い浮かんだことあれこれ

Kalafinaの音楽は現代のクラシックになりうるのではないか

2019年3月に解散した3人組の女性ボーカルユニット、Kalafinaをご存知だろうか。



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(以降、画像は公式Twitterより)

左から、Keiko、Hikaru、Wakana。

ユニットでの活動は10年。
アニメの主題歌、挿入歌として多くの曲目が起用されていた。
歴史を取り扱ったNHKの番組である、
歴史秘話ヒストリア」のテーマソング「storia」、そして幾曲かのエンディングソングを歌っていることで、
その音楽性、美しいハーモニーをご存知の方も多いことと思う。


https://youtu.be/OG6u8CDvpI4
(以降動画はKalafina Official YouTube Channelより)


彼女らの楽曲において、
プロデューサー梶浦由記の存在は欠かせない。
Kalafinaの音楽は、彼女によって作詞作曲され、独自の幻想的な世界観が生み出されていた。

かの有名なジャンプ漫画『鬼滅の刃』のアニメの音楽を手掛けているのも梶浦氏だ。

他にも作曲家としての梶浦氏は、
朝ドラの『花子とアン』(2014)、
人気アニメ『魔法少女まどか☆マギカ』、『Fate』シリーズなどの楽曲も手掛けている。

梶浦氏の音楽の魅力は何といっても、
繊細で詩的な歌詞、古今東西の音楽性を取り入れたメロディラインにあると考える。

グレゴリオ聖歌ガムランなどの民族音楽、ロックなど様々な要素が盛り込まれた曲がたくさんあり、その幅の広さ、引き出しの多さに驚かされる。

個人的にKalafinaの楽曲では、
「serenate」(2009)、「テトテトメトメ」(2010)に東洋のオリエンタルな要素を、また「Lacrimosa」(2009)に西洋ロマン主義の退廃的な耽美性を強く感じる。

果てない海、日本の原風景、星々が煌めく夜空。
希望の歌、恋の歌、悲しみの歌。

そして、歌い手には、そのような世界を作り出せる素晴らしいボーカリストが抜擢されている。


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Kalafina解散の理由は、メンバーやプロデューサーに様々な想いはあるだろうが、世間的見解では事務所のゴタゴタに巻き込まれたといったところだ。

ジャニーズの某国民的グループの事務所騒動の直後だったと記憶する。

Kalafinaは全国、海外ツアー、武道館ライブも行っているほどの人気ユニットだった。
当時のスポニチの記事には、20億円越の打撃であると書かれていた。


さて、Kalafinaは解散後現在、それぞれソロ活動に移行している。
もちろん三人の歌唱力の高さは、個々でも目を見張るほどだ。

しかし、あの完璧なハーモニー、掛け合いが聴けないと思うと本当に寂しい。


彼女らの歌唱レベルの高さは、ライブでもCD音源通り、もしくはそれ以上に(!?)発揮される。


https://youtu.be/l0XyE-vKfh8


初めてコンサートで生歌を聴いたときは、
「芸術だ」と感じた。
鳥肌が立ち、日々の疲れが浄化されるような気がした。

こんなにも歌で勝負するユニットは、今や珍しいのではないか。
難曲も多く、安易にカバーできるものではない唯一無二性がある。


私は、受験勉強のしすぎで
相当こじらせていた時期があった。

流行のJ-POP音楽に対して過剰な拒否反応を起こしており、当時高尚だと思い込んでいたクラシックやジャズ、民族音楽しか聴けなかった。
(今考えると相当にヤバイ)

そのときにKalafinaの音楽に出会い、ようやく日本語の歌詞が聴けるようになった。

こんなに美しい音楽が今の日本にもあったのか!と。
すべての曲に思い出があり、繰り返し、繰り返し聴いている。

私と同じようなファンの方もきっと少なくないはず。
彼女らが解散しようが、本当にずっと聴いている。

懐古ではなく、今を生きる糧として、新しい気持ちでいつまでも聴いていたいと思えるのだ。


もちろん、現在進行形で活動されている3人のソロでの歌も応援しているし、いつまで経っても同じ女性として、憧れの女神様3人だ。


ビジュアルも、ストイックな意思の強さも、歌唱力もどれをとっても本当に素敵。

昨今、
アニメ、漫画などのポップカルチャーが世界に通用し、どんどん市場を広げている。

これらのKalafinaの歌唱は、
少なくともアニメソング音楽史(なるものがあるとすれば)には刻まれているし、生き続けている。

私としては、アニソン界だけでなく、
もっと広い層に認知度が上がってほしかった。
NHKの曲も多く歌ってたんだから、紅白にも出てほしかったなぁ。

でも、確実に代えがきかない音楽。
定期的に聴きたくなる。
改めて聴いてみると、またはまってしまう。
そんな不思議な魅力がある。

いつか古典と呼ばれるそのときまで、いつまでも聴き継がれ、再発見されていくことを強く願っている。

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